アルバルク東京はベテラン指揮官ダイニウス・アドマイティスが率いており、「ディフェンス重視+そこからのトランジション」を軸にしたチームです。アドマイティスHCは会見で何度も「ホームコートはプレーオフのつもりで守らなければならない」「ディフェンスでポゼッションを増やし、シューターにリズムを与える必要がある」と強調しています。
チームのアイデンティティ:
- ハーフコートでの堅いディフェンス。ローテーションでのトラップと、手の動きを含めたアクティブな守り。
- ディフェンスリバウンドやターンオーバー奪取からの素早いトランジション。
- オフボールスクリーンやカット、スペーシングを多用したモーションオフェンスでシューターをフリーにするスタイル。
戦術的ブレイクダウン
オフェンス:
- 直近のデータでは、アルバルクはここ数試合で各ハーフごとに70点超えを安定して記録しており、ハイテンポかつ安定したスコアリングが特徴。トータル140点以上に乗ると勝率が高い傾向。
- オフェンスの核は「絶対的エース一人」というより、複数の二桁得点源がいるバランス型ロスター。オフボールの動きやハンドオフを多用してシューターを生かします。
- リーグ基準で見るとペースは中〜やや速め。トランジションでも、セットオフェンスでも機能する構造。
- スリーポイントは波があるものの、一度リズムに乗ると量産が可能。外が落ちる時はミドルとドライブで補います。
ディフェンス:
- ホームでは特にフィジカルなディフェンスを見せ、ディフェンスリバウンドとセカンドチャンスの制限を重視。
- スキームは基本マンツーマンで、相手のサイズやマッチアップに応じてドロップやスイッチを織り交ぜます。
- 課題は、相手に外を広く使われるとローテのヘルプが遅れ、最後のラインで想定以上の失点をする場面があること。
- 名古屋の最近の得点力を考えると、リバウンド確保とペリメーターのクローズアウトが特に重要になります。
ローテーション&クロージングラインナップ:
- 予想スターター:日本代表クラスのリードガード、ウィング2枚、ストレッチ4、センターという構成。
- ベンチ:セカンドユニットの厚みもあり、シューターとハードに守るロールプレーヤーを投入して流れを変えられるのが強み。
- 終盤のクロージングラインナップでは、アドマイティスHCは信頼するシューターとディフェンダーを優先し、必要であればビッグマンを1人減らしてペースとスペーシングを上げる傾向があります。
ケガ情報&起用の悩みどころ
- アルバルクに長期離脱の大きなニュースは出ておらず、Bリーグのタイトなスケジュール特有の小さなコンディション調整程度。
- ポイントは、「インサイドをフルサイズでスタートするか」「名古屋のハイテンポに合わせてやや小さめのラインナップで入るか」という選択。
- 小さく行く場合はドライブとトランジションの回数が増え、大きく行く場合はセットオフェンス重視でテンポが落ちる可能性があります。
強みと弱み
強み:
- ホームアドバンテージと、規律のあるディフェンス、テンポコントロール。
- 波に乗った時のシューター陣の厚み。
弱み:
- 外を広く使う相手に対して、守備のスペース管理を誤ると一気にやられるリスク。名古屋の最近のフォームを見ると、そこを突かれる可能性。
- スリーポイントの波が大きく、タフショットに頼る時間帯が出るとテンポ管理が崩れる恐れ。
名古屋ダイヤモンドドルフィンズプレビュー
コーチング&フィロソフィー
名古屋ダイヤモンドドルフィンズは福島雅人HCのもと、よりテンポの速い攻撃的なチームへと進化しています。福島HCは「まずは攻める、その次に守る」というスタンスを口にしており、「このグループはハイテンポで戦え、ペースとスリーポイントで相手を疲弊させることができる」とコメントしています。
チームのアイデンティティ:
- スティールやディフェンスリバウンドからのトランジション主体。
- スリーポイントを高いボリュームで放ち、ゴールへのアグレッシブなドライブも多い。
- ディフェンスは構造よりも運動量やアスレティシズムを活かすタイプ。時にギャンブル気味の守りで、スコアが伸びる試合になりやすい。
戦術的ブレイクダウン
オフェンス:
- 直近のフォームでは、名古屋はほぼすべての試合で130点超えを記録し、多くの試合でトータル150点以上に到達しています。
- 非常に高いペースでオフェンスを展開し、シューターを複数並べることで、前半からどちらかが75点超えするような展開になることも。
- キーとなるのは、ディープレンジから打てるウィング陣、素早いボールリバーサル、複数のセカンダリーボールハンドラーの存在。
- アルバルク相手には、序盤からリードを広げて相手にペース変更を強要させることが狙いになります。
ディフェンス:
- ディフェンスは「機会を見て一気にボールを奪いに行く」タイプで、ターンオーバーを誘発してトランジションに持ち込むことに重きを置いています。
- 課題は、相手にペースを落とされハーフコートの殴り合いになると、リバウンドとミドルレンジの守備で苦戦しやすいこと。
- スキームとしてはスイッチディフェンスが多く、手を出してパスコースを消す反面、相手がリズムに乗ると高確率のショットを許すシーンも目立ちます。
ローテーション&クロージングラインナップ:
- 予想スターターは、メインのボールハンドラー、ウィング2人(片方はシューター、もう片方はドライバー)、走れるフォワード、機動力のあるセンター。
- ベンチにはさらにシューターが控え、若手フォワードやペースにフィットするロールプレーヤーが揃っています。
- 終盤も基本的には「ペース重視」の布陣で、守備専念よりも主力スコアラーをコートに残す方針を取りがちです。
ケガ情報&起用の悩みどころ
- 名古屋は大きな故障者も見られず、直近の連勝からもローテーションの厚みが感じられます。
- 起用の悩みどころは、「試合開始から全開のペースで飛ばすか」「あえて少し落として、アルバルクのスローな時間帯を突くか」というゲームプラン。
- ウィング陣が早々にファウルトラブルに陥ると、ペースモデル全体が崩れるリスクもあります。
強みと弱み
強み:
- 直近4〜5試合での連勝が示す通り、リーグ屈指のホットなオフェンス。
- 前半から一気に点差を開き、相手に「追う展開」を強要できること。
弱み:
- ディフェンスの安定感。アルバルクにテンポを落とされセットオフェンス勝負を強いられると、名古屋の良さが目減りする。
- リバウンドの主導権。アルバルクにリバウンドを支配されると、トランジションの回数が減りオフェンス効率も落ちる。
ここまでの歩み
アルバルク東京: 直近6試合は L–W–L–W–W–W。ハイスコアゲームが続き、ホームでは特に強さを見せています。直近の試合ではトータル140点超えが多くなっています。
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ: 直近は W–W–W–W–W と圧巻の5連勝。毎試合のように130点超えのゲームを続けており、勢いはリーグトップクラス。通算対戦成績はアルバルクが歴史的に圧倒(46試合中およそ36勝、名古屋10勝)とされていますが、フォームだけ見ると今は名古屋側の勢いが目立ちます。
直近フォーム&スタッツ
アルバルク東京
- 直近5試合:W – L – W – W – W
- 推定平均得点(PPG):70点台後半〜80点台前半、ここ数試合は各ハーフ70点超えのペース。
- 相手平均得点:70点台中盤〜80点台。
- モメンタム評価:7/10 — フォームは良いが、相手にペースを上げられると脆さも。
- 3P成功率:波はあるが、リズムに乗ると十分な確率。
- ターンオーバー率:中程度。
- リバウンド差:ほぼイーブンだが、ホームではプラスに出る試合も多い。
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
- 直近5試合:W – W – W – W – W
- 推定平均得点(PPG):トータル130点以上を安定して出していることから、90点以上と見られる。
- 相手平均得点:試合ごとにブレはあるが、おおよそ85〜90点付近。
- モメンタム評価:9/10 — 連勝中の“最高潮モード”。
- 3P成功率:試投数が多く、確率も良好。
- ターンオーバー率:ペースが速いためやや高めだが、得点力でカバー。
- リバウンド差:ややマイナス〜イーブン。ただしトランジションスコアでそのマイナスを埋めている。
ストーリーとしては、「ホームで安定したアルバルク」対「勢いとペースで押し切る名古屋」という構図。お互いに“自分たちらしさ”をどこまで出せるかが勝負の分かれ目になりそうです。
注目選手
アルバルク東京
- リードガード(日本代表クラス):オフェンスの舵取り役であり、テンポコントロールとトランジションの起点として不可欠。
- トップシューター:直近のスタッツソースでは具体名は出ていないものの、このシューターが当たるかどうかでアルバルクのペースが変わるキーマン。
- ストレッチ4タイプのフォワード:外でのスポットアップと、名古屋のサイズあるウィング陣に対するディフェンスの両方で重要な役割。
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
- エース級ウィング(シューター兼ドライバー):平均20点前後を狙えるスコアラーで、一気の連続得点能力を持つ。
- セカンダリープレイメーカー:ペースを加速させつつアシストを量産し、序盤のランを演出する存在。
- 若手/アスレチックフォワード:リバウンド、走力、複数ポジションのディフェンスで貢献し、ハイペースモデルにフィット。
ライブ観戦でのチェックポイント
- テンポコントロール: アルバルクが試合を落ち着かせられるのか、それとも名古屋が速攻と早いオフェンスで主導権を握るのか。
- 前半の得点ペース: 名古屋は前半から75点超えも狙えるペースで飛ばすことがあり、序盤のリードがそのまま勝敗を左右する可能性。
- ディフェンスリバウンド: ボード争いがこの試合の鍵。アルバルクがリバウンドを支配すれば、名古屋のトランジション回数を減らせる。
- シューティングの波: アルバルクはリズムに乗れば一気呵成、外が落ちると苦しくなるタイプ。名古屋が序盤から当たり始めると、点差が大きく開く展開も。
- ベンチのインパクト: セカンドユニットがペースを維持できるかどうか。アルバルクの控えが流れをキープできればペース管理に成功したと言えるし、名古屋の控えがスコアリングを続ければランが伸びていく。
- ファウルトラブル: 特に名古屋のウィング陣。トランジションの要となる選手が早々にファウルを重ねると、ペースダウンを余儀なくされる。
視聴情報
- リーグ: 日本 B.League(B1)レギュラーシーズン
- 会場: トヨタアリーナ東京(東京都)
- ティップオフ: 2025年11月15日(土)18:05(日本時間/09:05 UTC)
- 配信: Bリーグ公式配信サービス、および国内のスポーツ専門チャンネルなど。海外ではB.League Live Pass等で視聴可能な場合あり。
ベッティングインサイト
BリーグはNBAやヨーロッパ主要リーグと比べると、世界的なブックメーカーでのオッズ公開がやや少ないものの、予想プラットフォームなどでは以下のような傾向が見られます。
- 歴史的なホーム成績を踏まえると、オッズ上はアルバルクがホームでやや優勢と見られるケースが多い。
- ただし直近のフォームとスコアリングトレンドから、名古屋への評価も確実に上昇中。
想定されるマーケット:
- マネーライン(勝敗): ホームコートと対戦成績を加味すればアルバルク僅差優位という見立てが多いものの、名古屋のフォームを買う声も強い。
- スプレッド(ハンディキャップ): アルバルク -2〜-4あたりの接戦ラインが想定されるレンジ。
- トータル(合計得点): 歴史的には140点台が多いが、名古屋の最近のペースを考えるとラインがさらに上振れする可能性。
狙い目の角度:
- アルバルク +3.5 以上:ホームアドバンテージとテンポコントロールに期待するなら、プラスハンデを押さえる形。
- 名古屋マネーライン(ML):現在の連勝とペース優位を重視するなら、アウェイ勝利をストレートで狙う選択。
- トータルのオーバー:両チームともリズムに乗ればハイスコアが見込めるため、特に名古屋絡みのゲームではオーバーに妙味。
- プレーヤープロップス:名古屋エーススコアラーの得点オーバー、アルバルクのリードガードのアシストオーバーなど、ペースの速い試合展開を前提にしたライン。
ベッティング総評: 直近のフォームとペース面でのミスマッチを踏まえると、名古屋ダイヤモンドドルフィンズのマネーライン、もしくは+3.5付近のスプレッドにややバリュー。さらに合計得点のオーバーも組み合わせる形が面白い構図です。アルバルクも強力なホームチームですが、勢いは名古屋側に傾いている印象。
最終予想
- 予想勝者: 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
- 想定スコア: アルバルク東京 85 – 90 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
- 戦術的Xファクター: 名古屋のペースとスリーポイントの本数・精度に対し、アルバルクがどこまでゲームをスローにしハーフコート勝負に持ち込めるか。名古屋がトランジションを支配し、序盤から外が当たり始めるようだと、ホームのアルバルクでも巻き返しは容易ではありません。
このBリーグプレビューでは、名古屋の勢いとハイテンポスタイルが最終的にゲームを傾けると見ており、アルバルク東京 vs 名古屋ダイヤモンドドルフィンズの予想としては「接戦の末、アウェイの名古屋勝利」としつつ、トータルポイントのオーバーもプラスの期待値があるシナリオと考えられます。

